-吾妻箒記事一覧-

物事の移り変わり

2022/05/09

気付けばスマホを見ている、が今の世ですが、若干?アナログの私は本を開いていることが多く、先日久しぶりに志賀直哉の「城の崎にて」を読み返しました。

内容はさておき、時代を反映した描写が随所に登場し、「ねずみの首に串をさし」などには思わず顔をしかめてしまいましたが、時代とともに日常の風景が変わることを改めて感じました。

 

 

ふと、箒を使ったお掃除方法も大きく変わったことを思い出しました。

 

例えば江戸時代の商家の絵を見ると、箒を使ってゴミやホコリを外に掃き出しているのが分かります。

この風習は戦後もしばらく続き、集合住宅いわゆる団地が登場するまで続きます。

今では外に掃き出す行為は、場所によっては単に公共の場に散らかしているようにも見え、同じ行為でも時代によって受け止め方が異なることに、ある種、面白みも感じます。

 

 

ただ、自分の家をキレイにしたいという想いは今も昔も変わりません。

時代の流れとともに消えていく道具や職業がある中で、箒という道具に関わることができるのはありがたいことです。

将来の方々が箒を使い続けることができるように、しっかりとバトンをつなぎたいと強く思いました。

新しいことへの挑戦

2022/05/02

SDGsへの取り組みが今までにない勢いで進んでいる今、自分でもできることを始めようと、1ヵ月ほど前から自転車通勤に切り替えました。

 

 

自転車から見える街並みを眺めて、

「これは一人の人間(私)にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

などと一人悦に浸たりつつ、ペダルをこぎまくっています。

 

さて、今年当社ではやってみたいことがあります。

それは今までにない新しい箒を作ること!

 

まだ具体的な形状は練れていません。

ただぼやっとではありますがイメージは湧いています。

 

 

今回新しい素材を見つけました。

実はこれすべて紙でできています。

紙とほうき、一見すると脈絡がないように思えるかもしれませんが、この紙を使ってどのような箒を作るかは当社の想像力次第、ほうき草作りと併せて進めていきますのでぜひご期待ください。

 

江戸時代から続く箒づくり。

今年を大きな一歩にしてみせます。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 171

2022/03/21

いつもブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

大変残念ですが、つらい報告をせざるを得ない状況となりました。
一流の箒職人を目指していた伊藤より退職届が提出され、3月20日をもってアズマ工業を去ることになりました。
伊藤のブログ、またその成長を楽しみにされていた方には誠に申し訳なく思っております。

 

伊藤の真意は分かり兼ねますが、本人の中で熟慮を重ねた上での決断だったと思います。
彼の意志を尊重し、彼の前途を応援したいと思います。
今まで本当にありがとうございました。
伊藤に代わり御礼申し上げます。

 
 

今回の件でつくづく思いました。伝統を残すのは本当に難しいですね。

 

元々損得抜きで敢行してきたほうき草栽培プロジェクト。
伊藤の退職を機にほうき草の栽培を止めることも考えました。
でも、やはり途絶えさせたくはありません。
日本で育まれてきたほうき草栽培を、江戸、明治、大正、昭和・・・、人々が抱いてきたほうきへの想いを。

 

また一から始めることになるかもしれませんが、それでもあがきたいと思います。
かっこいいブログにはならないかもしれませんが、箒草への想いを後世に残したいと思います。

 

もうすぐ今年のほうき草の栽培が始まります。できればこれからも、応援のほどよろしくお願いいたします。

 

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 170

2022/03/14

今回も伊藤の代わりにブログを書かせていただきます。

 

「今、一番気になるお掃除道具は?」と聞かれたら、間髪入れずに「お掃除ルンバ!」と言ってしまいそうです。

箒を作っている会社に在籍する私にとって、裏切りのような気持ちもないことはないですが、それはそれ。

自動でお掃除してくれるのはやっぱりありがたいなぁと思います。


先日、ルンバ愛用者に話を聞いたのですが、「確かにラク!」だそうです。

ただその方曰く、ルンバを稼働させる前にちょこちょこっと床に散らばっている物を移動しなければならず、物が多い家はお勧めしないとか。

 

さて我が家はどうであろうか・・・、うーん微妙。

 

ついでにその方はとってもおそうじ好き。

お掃除ロボットを使いながらも箒も持っているとのこと。

「お掃除ロボットと分担しているんだよ」と笑っていました。


お掃除ロボットのいいところは、稼働させておけばその場所のお掃除のことを気にしなくてもいいところ。

その間に気になるトイレや洗面所の床をササっと箒で掃いているようです。

 

なるほど、ハイテクとローテクの組み合わせもありですね。

箒はまだまだ頑張ります。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 169

2022/03/07

今回も伊藤の代わりにブログを書かせていただきます。

 

 

先日テレビで見たのですが、炊飯器が世に出たことで家事に掛かる時間が1日当たり3時間くらい減ったそうです。
おいしく炊くためには付きっ切りで火加減を調整しなければならず、相当苦労されていたようです。
炊飯器に限らず、洗濯機や掃除機の登場は家事からの解放に大きく役立ちました。

 

一方、電化製品が普及するにつれて、家から竈(かまど)が消え、洗濯板が消え、それまで必須であった道具が密かになくなっていきました。
そんな中、箒だけはしぶとく(?)健闘しています。

 

 

世間の相場観として、箒の需要は右肩下がりのイメージのようですが、ところがどっこい、ほぼ昨対100%のペースで販売されています。

 

「どこに使わているの!?」と思われるかもしれませんが、掃除機だけでは完結できない場所や手早く済ませたい時に箒が使われているようです。
夜お掃除するのに重宝しているという声も聞いたことがあります。

 

掃除の主役を掃除機に譲っても、必要とされることに喜びを感じながら、丁寧に箒を作り続けたいと思っています。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 168

2022/02/28

今回も伊藤の代わりにブログを書かせていただきます。
小学校の話です。

 

 

「家の外を掃くときには、必ず隣の家の三分の一くらいまで掃くように。決して自分の家の前だけではダメですよ」

 

担任でもなく、たまたま臨時に教えていただいた多々良先生のこの言葉を憶えています。
ついでに言うと、「川に『ふん、ふん』と鼻水を垂らすと魚が寄ってくるので面白いよ」などと破天荒なことをおっしゃっていたのも懐かしいなぁなどと思っています。
多々良先生は当時で50歳くらい、今ご存命であれば、90歳くらいでしょうか?

 

前段が長くなりました。

 

「隣の家の前をキレイにするのは自分の気持ち。どこまでだっけ自分ち(家)、なんて気にしなくてもいいし。それに相手も喜ぶでしょ! でもね、やりすぎるとかえって大変だから、三分の一くらいがちょうどいいの」

 

多々良先生のその後の言葉。

 

「お隣さんも同じように私の家の三分の一くらいまで掃くの」

 

 

大切にしたい日本の風景ですね。
小学校のときにはよく分からない言葉でも今であれば十分理解できます。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 167

2022/02/21

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?

 

今回も伊藤の代わりにブログを書かせていただきます。

 

 

学生時代の話です。
当時はひもじい生活をすることが多く、そんな時に限って友人の結婚式やら誕生日やら…
出費が重なり困ったことが何度もありました。
ある友人の誕生日に何を送ろうかと、限られた予算の中で頭を悩ませていると突然ひらめきました。

 

「そうだ、宝くじを買って送ろう。当たれば、友人が喜ぶではないか!」

 

コインで削れるスクラッチ式の宝くじを10枚購入し、いざ送ろうと封筒に入れると若さでしょうか?
急に惜しくなり、「いやいや1枚くらい試しに削ってみよう」と削り始め、ついに10枚全部を削り、すべて外れ。
こんなことなら友人に送っておけばよかったなどと悪魔のようなことを思ったのを覚えています。

 

「衣食足りて礼節を知る」 今であれば、きっと削ることなく送るのですが・・。

 

 

さて、ほうきは「箒」という漢字ですが、ちょっと見方を変えれば、とってもご利益のある漢字に変換できます。
「宝(たから)」が「来(く)る」と書いて、宝来(ほうき)。
「箒を祭り上げたら何かいいことあるかも」などとまた小悪魔のようなことを思いつつネットで検索したところ、すでに「宝来宝来(ほぎほぎ)神社」がありました。
金運のスポットとしても有名のようです。
しかも2回も「宝来」を繰り返されているので勝ち目なし。

 

「やはり地道が一番です」

 

でもせめて、箒で掃くときに「たからこい」「たからこい」とつぶやくと、ひょっとしたらご利益があるかもしれませんね。
保証は一切いたしませんのであしからず。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 166

2022/02/17

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!

 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?

 

突然ですが、伊藤が体調を崩してしまい、現在お休みをいただいております。
伊藤からは早く復帰したいとの声が届いておりますが、今までの疲れが出たのかもしれません。
ここはゆっくりしてもらって、伊藤が復帰するまで代わりにブログを書かせていただきます。

 

先日聞いた話ですが、「悲しみ、苦しみ」という感情は、人が生きているだけで内面から自然に発生する一方、「笑う」という感情は自然に発生することはなく、必ず外部から引き起こされる感情だそうです。
そう言えば、コロナ禍になり、人と会う機会が減少したことで、「笑う」ことが極端に少なくなったような気がします。
人との触れ合いの中で、元気をもらっているのですね。

 

 

最近元気がないなぁと思ったら、お掃除はいかがでしょうか?
「コロナ禍で何もすることなく、さんざんやったよ」という声も聞こえてきそうですが、お掃除の中でも「ほうき」でのお掃除は特にオススメ。
掃くときに穂先が奏でる「さっさっ」という音、一定のリズムで繰り返す動作。
何かと振り回されがちな今の状況において、自分の呼吸を整えるいい機会になるかと思います。

 

 

オミクロン株が蔓延している最中、ストレスが溜まりがちですが、少しでも笑って過ごしていただければと思います。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 165

2022/01/31

1月28日   新しい手法を試してみました     吾妻箒    

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


先日のブログでも発信しましたが、今年のほうき草栽培は密植栽培にチャレンジし、小ぶりな大きさ(太さ)のほうき草作りを目指します。
とは言え、もし今年も大ぶりに生長した場合は、そちらの使い道も考えなければなりません。
そこで、ちょっとした閃きを試してみることにしました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
茎の部分を二つに割いた様子

通常は長柄(両手で持って掃くタイプの箒)用に使用する太めのほうき草を使用し、短柄(片手で持って掃くタイプの箒)の編込みで使えるよう、茎を二つに割いてみました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
穂の部分は1本分まるまる残し、茎のみ半分に割きました。

茎の部分を半分にすることにより重さを軽減し、合わせてほうき草を扱いやすくすることで、コンパクトな作りにすることが狙いです。
早速、耳と呼ばれるパーツを軽量化したほうき草で編んでみました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
耳を編み込んだ様子

少し力加減を抑え、注意しながらの編込みとなりましたが、編込み作業そのものは問題なくできそうです。それと同時に早速(?)、課題も見つかりました。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
編込み部分の拡大です。

茎を半分に割いたことにより、通常丸みを帯びている茎が平になってしまいます。そのことによりほうき草どうしの収まりが悪くなり、ほうき草の表面(外側から見える部分)が写真の矢印のようにちぐはぐな向きになってしまいました。

上手くいけば仕上がり自体はコンパクトになり、確実に軽量化にも繋がる見込みはあります。課題を解決し、新たな手法として確立できるようチャレンジしていきたいと思います。

箒職人を目指して 伊藤さんの日誌から 164

2022/01/27

1月27日    お客様よりご意見を頂戴しました    吾妻箒    

海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です! 

一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?


昨年末、当サイトで箒をご購入していただいたお客様からメールにてご意見を頂戴しました。内容は、届いた商品に2点の不具合があるとのことで、返品交換を行うこととなりました。
いくら自分自身では良い商品をお届けしているつもりでも、お客様に満足していただけなければ、それはただの自己満足です。自らを戒める意味も含め、今回ブログにて報告させていただきます。

ご意見を送ってくださったK様、ご期待を裏切り残念な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。この場を借りて、改めてお詫び申し上げます。
今回ご意見に至ってしまった経緯を説明させていただきます。
商品は、「あづま棕櫚ほうき皮 長柄」という棕櫚(シュロ)箒です。棕櫚という原料の特性上、原料から垢と呼ばれるカスが出ることがございます。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
完成した棕櫚箒の様子
一見すると垢は無くキレイに見えますが…


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
束ねた原料の内側や根元に垢が残っていることがあります。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
この垢を製品パッケージ前に、ブラシなどを使用して綺麗に仕上げます。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
ほうき1本から出る垢や遊び毛の様子

当サイトでご注文いただいた箒は全て伊藤の手で検品させていただき、今回の棕櫚箒も同様の仕上げをおこなっておりました。しかし、お客様から「カスが出る」とのご意見を頂戴してしまいました。「このぐらいで大丈夫だろう」そんな軽い気持ちで取り組んでいた訳ではありませんが、結果としてお客様のご期待に沿えなかったことは事実です。もっと気を配り、お客様に満足していただけるレベルまで商品を仕上げ、お届けしなければいけないと深く反省いたします。
もう1点のご意見は、横のピン(装飾)が抜けるという内容でした。これについては、伊藤の見落としにより発生してしまったと思われ、弁解の余地もありません。


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト
両サイドに打ち込まれたピン(鋲)の様子


箒職人を目指して ほうき草プロジェクト

鋲が取り付けられていることは確認しておりましたが、しっかりと強度の確認をするべきでした。少しでも抜ける不安がある場合は、補強を施し、良い製品のみをお届けできるよう改善いたします。

今回の件は、意識を改める良い機会とさせていただき、同じことを繰り返さないよう細心の注意を払います。

御叱りのご意見と真摯に向き合い、ご満足いただける商品をお届けできるよう、気持ちを込めて作業することを改めて誓います。

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