ほうき草栽培プロジェクトでは、浜北畑と半田畑、2か所でほうき草の栽培を行っています。
今回は半田畑の物語。
所変われば品変わるではありませんが、同じ浜松市の土地でもほうき草の生育に違いがあります。
浜北畑の物語と比較しながら読んでいただければ幸いです。
さて、半田畑の始動は5月11日。
雨の予報でしたがなんとか持ちこたえ、曇り空の下、作業を進めました。
半田畑で使う苗床は、ほうき草の根を深く張らせるために、トレー周囲を板枠で囲ってかさ上げし、土を多く敷き詰めたもの。
そこに水を充分撒いた後、箒草の種をパラパラと全体に蒔き広げます。
その上にやさしく土を被せ、水を掛けて終了です。
こういう時は性格がでるもので、「種を全体にパラパラ」のつもりでも偏りが生じたりします。
横目にT氏の作業をみると、実に正確。
ふと、小学校の時に手伝った田植え作業で父親に怒られたことを思い出し、三つ子の魂百までとはよく言ったものだぁなどと思わず含み笑いをしてしまいました。
種の中の次の生命がすくすくと育ち、無事に芽が出ることを楽しみにしています。
1月20日 今年のほうき草栽培にむけて③ 吾妻箒
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
今年のほうき草栽培は、密植栽培にチャレンジすることで心が固まり、今回からは具体的な栽培方法や栽培スケジュールを練っていきます。
密植栽培を進めるにあたり、畝間と株間の間隔を今までよりも短くする必要があります。畝間の長さは現状45センチを取っておりますが、この長さは管理機が入れる目一杯の長さで、これより短くすることは難しそうです。
除草作業をする上で管理機での作業は必須です。管理機の入れない株間の除草は手作業でおこないますが、畝間は管理機の力を借り、効率よく進めたいところです。
よって、畝間は45センチで固定とし、株間を短く詰めていく必要があります。株間は現状30センチで植え付けております。
先日、参考にトウモロコシの密植栽培について調べた際、株間の推奨は20~30センチほどとのことでした。しかし、この間隔は、横に伸びて実を付けるトウモロコシの推奨です。上に伸びた穂を収穫するほうき草(ホウキモロコシ)は更に間隔を詰めても問題なさそうです。今回は思い切って今までの半分の15センチ間隔で植え付けてみたいと考えております。上記写真のほうき草とほうき草の間にもう1本、ほうき草を植え付けるイメージです。
株間を今までの半分に設定することで、単純に今までの2倍の収穫量が見込めます。しかしながら、まずは、ほうき草の品質を高めることが最優先です。収穫量は今までと同等を目標とし、作付面積(畑の規模)を小さくすることで、管理の行き届いた畑を目指します。
もちろん、計算はあくまで机上のもので、実際の畑の大きさや形によって植え方や畝を立てる方向など調整が必要かと思いますが、算出した内容で農家の倉田様に畑の選定を依頼したいと思います。
次回は具体的な栽培スケジュールを確認していきたいと思います。
1月17日 今年のほうき草栽培にむけて② 吾妻箒
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
前回のブログにて、「密植栽培」のメリットとデメリットを紹介させていただきました。
今回はほうき草を密植栽培で育てるにあたり、デメリットの解決方法を考えていきます。
デメリット①農作物が思うように生長しない可能性がある
ほうき草の正式名称は「ホウキモロコシ」と呼ばれ、トウモロコシの変種だとされております。改めてトウモロコシの密植栽培実績を調べてみると、トウモロコシは風で花粉を運ぶ「風媒花(ふうばいか)」なので、密植栽培に適しているようです(※株間が広いと雄蕊から雌蕊へ花粉が届かず、実の数が少なくなるようです)。
しかし、密集しすぎると横に伸びる実の生長の妨げになるため、20~30センチの株間は必要とのこと。その点、実を付けず、真上に伸びた穂を収穫するホウキモロコシは互いの生長を気にすることなく株間を決められそうです。
また、今年も浜北畑と半田畑の二カ所を利用させていただき栽培できる見込みとなっております。どちらか一方の畑で密植栽培にチャレンジし、一方は従来通りの栽培方法で栽培することにより、最低限の収穫量は確保できるよう進めることができます。
デメリット②病気や虫の発生リスク
密植栽培によるもう1点のリスクは、株が密植し、風通しが悪くなることによる虫の発生や病気への懸念です。これまでの栽培でも、除草作業や農薬散布により防除してきましたが、ほうき草を栽培する上で最も気を付けなければいけない点だと考えます。
農家の倉田様からも「虫は密集した雑草の陰を好みます。根元の雑草からほうき草に移り、養分を吸ったり、幼虫がほうき草を食い荒らしたりしますので、小まめな除草が最も大切です」とアドバイスいただいております。
「雑草が小さい内からしっかりと手を掛け、綺麗な畑を保つ」
文章で書くと当たり前で簡単なように見えますが、除草作業の大変さが身に染みているからこそ、その言葉の重さを感じます。しかし、逆に言うと、除草作業さえしっかりおこない風通しを良くさえすれば、虫の発生や病気を抑制でき、デメリットを打ち消すことが可能です。どこまで対応できるか分かりませんが、自分で勝手に限界を設けず、できるところまでチャレンジしてみたいと思います。もし除草作業の手が足りなくなった時は、会社の仲間にも助けてもらえますし、要所で農薬の力も借りながら虫の発生も抑えられると考えます。
密植栽培におけるデメリットも解決できそうな気がします。次回からは具体的な作付面積や栽培計画を練っていきたいと思います。
11月11日 紅あずま(サツマイモ)を寄付しました 半田畑
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
先日、浜松市の福祉協議会を通じ、市内の子ども食堂に紅あずまを寄付させていただきました。紅あずまは、ほうき草を栽培している半田畑で丹精込めて栽培させていただきました。
今回で2年続けて紅あずまを寄付することができました。豊作だった去年の記憶が霞むほど、今年は更に大きく実った紅あずまをお渡しすることができて良かったです。
恒例行事の感謝祭は、2年連続で中止となってしまいましたが、様々な形で地域と繋がれるよう試行錯誤しながら歩みを進めてまいりたいと思います。
11月15日 様々な種類のほうき その① 豆知識
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
先日、お客様がご来社された際、「ほうき」について説明する機会がありました。説明するにあたり、改めて色々な種類の箒についての特徴をまとめましたので、今回から何回かに渡り、ほうきの種類ごとの特徴や生産の過程などを紹介させていただきたいと思います。
初回は、室内での使用に適した「座敷ほうき」についてご紹介します。
座敷ほうきとして使用される箒の素材は、大きく分けて「ほうき草(ホウキモロコシ)」と「棕櫚(シュロ)」の2種類に分けられ、今回は当社でも数多くのラインナップを取り揃えている「ほうき草」について掘り下げてみたいと思います。
原料であるほうき草は、当社でも毎年栽培しているホウキモロコシというイネ科の植物となります。夏から秋にかけて収穫をむかえ、背丈は1.5~2.0mほどまで生長します。
細くしなやかな穂先は、畳やフローリングの目の間まで入り込み、ゴミを掃き出します。
ほうき草を使用した箒は大きく分けて2種類に分類され、1つは伝統の技により編み込まれた「手編みほうき」、もう1つはほうき草の良い部分だけを生かした「カバーほうき」です。
どちらの箒も甲乙をつけることは難しく、それぞれ特徴があります。
例えば、手編みほうきであれば、上質で厳選した原料を使用し、伝統の技を生かした見た目の美しさも魅力的です。カバーほうきの特徴としては、見た目はシンプルですが機能に特化した作りとなっており、扱いやすい軽さとリーズナブルな価格が売りとなります。
実はこのカバーほうきは、当社アズマ工業が初めて作り、普及させました。
ほうき草は畑で栽培される農作物ですが、素材そのものが大変キレイなため、室内での使用に適しています。ほうき草は水濡れに弱く、水分を含んだまま放置すると、カビの発生や穂の変色の原因となります。室内での使用がメインになるため水に濡れることは少ないかと思いますが、保管の際は風通しの良い場所で吊るして保管するなど注意が必要です。
今回は、座敷ほうきと呼ばれる箒の中の1つである、「ほうき草」の特徴について紹介しました。次回はもう1つの座敷ほうきである「棕櫚(シュロ)ほうき」を掘り下げていきます。
10月29日 紅あずまの収穫をおこないました 半田畑
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
今年の5月に苗を植えた紅あずま(サツマイモ)が無事に収穫時期を迎えました。先日の試し掘りでは、大きく育った紅あずまが確認できており、この日の収穫作業にも期待が高まります。
※試し掘りの様子はこちら
秋晴れの下、大きく育った紅あずまをたくさん収穫することができ、大満足です。
ほうき草も紅あずまも無事に栽培・収穫できたことに感謝の想いでいっぱいです。
収穫後、Tさんは畑のご近所に、収穫した紅あずまを「お裾分け」しておりました。Tさんのご自宅の周りでは自家菜園をされている方も多く、頻繁に「お裾分け」がされております。地域交流が少なくなっている現代において、残していきたい風習だと改めて感じました。
収穫した紅あずまは、昨年に引き続き福祉支援として寄付させていただく予定となっております。小さなことですが、地域貢献・地域交流ができるよう、社員一同取り組んで参りたいと思います。
10月7日 今年の紅あずまの様子は? 半田畑
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
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一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
例年、年末に開催しているアズマ感謝祭。
多くのお客様にご来場いただき、大盛況のイベントとなっておりますが、残念ながら昨年に引き続き今年も開催を断念することになりました。
※2019年アズマ感謝祭の様子はこちら
感謝祭の催しの一つとして、焼き芋の無料配布をしておりますが、昨年は感謝祭中止に伴い、何か少しでも地域貢献できないかと考え、「子ども食堂」に収穫したサツマイモを寄付させていただきました。
今年も感謝祭は中止になったものの、紅あずまを使って何かできることがあるはず。そんな想いで10月上旬のこの日、紅あずまの出来を確認するため、畑を訪れました。
10月上旬にもかかわらず暑さが残る中での作業でしたが、紅あずまも順調そうで一安心です
畑の耕耘作業中、Tさんが「耕しても、耕しても雑草が出てくるね。放っておくとすぐに伸びてしまうから、早め早めに除草することが大切だね」とおっしゃっておりました。除草作業に関わらず、大変なことを何かと伸ばし伸ばしにしがちですが、改めてコツコツ作業する大切さを実感しました。
紅あずまの収穫は目の前です。今から収穫が楽しみです。
9月3日 栽培に使用する器具をメンテナンスしました ほうき草栽培
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日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
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一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
今年のほうき草栽培もひと段落し、栽培に使用した道具のメンテナンスをおこないました。
実は、今年最後の農薬散布の際に、噴霧器の取っ手が破損してしまいました。しかし、自分で修理できそうでしたので栽培のオフシーズンであるこの時期に直すことにしました。
特に壊れやすい使い方をしていた訳ではありませんが、およそ20a(アール)の畑を毎回、手動で散布しているため負荷が掛かってしまっていたようです。今までの活躍を労いながら修理をおこないます。
簡単な修理ではありますが、ハンドルはしっかりと固定され、問題なく機能しました。
新しく買い替えることは簡単ですが、自分で修理することにより物持ちも良くなり、愛着も沸いてきます。
また来年の栽培でも、たくさん活躍してもらうことになると思いますので、綺麗に洗浄し、その時を待ちます。
8月28日 種を収穫しました② 半田畑 ほうき草栽培
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
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一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
来年の種を確保するために、残しておいたほうき草の収穫も無事に終え、半田畑での作業はすべて完了しました。この日は種の脱穀作業を会社でおこないました。
脱穀した種は、種揉み・選別作業へと続いていきます。上質なほうき草を栽培する上で、毎年の種の更新は欠かせません。まずは十分な種を確保できたことに一安心です。
8月25日 種を収穫しました 半田畑 ほうき草栽培
海外に生産を移行して50年。
日本の箒(ほうき)づくりは斜陽の一途を辿り、今では十指に満たない職人しかいないと言われています。
日本伝統の箒づくりを途絶えさせないために、師匠の教えを守りながら今日も奮闘中です!
一流の箒職人を目指す伊藤さん、今日の様子は?
8月下旬、季節外れの長雨が明け、日差しが戻ってきました。
予定よりも少し遅くなってしまいましたが、ほうき草の種を収穫しました。
もうすぐ9月だというのに、この日は熱中症注意報が出ており、非常に蒸し暑い中での作業となりました。2~3時間程度の作業でしたが、3週間ぶりの畑作業に体はヘトヘトです。
とは言え、ほうき草の無くなった畑を見ていると、夏の終わりを感じ、何となく少し寂しい気持ちになりました。
追伸:
紅あずま(サツマイモ)も恒例の弦返しをおこない、苗周辺の雑草を耕運機で耕しました。こちらの生長も楽しみです。