箒職人の仕事

箒職人 伊藤 真人 氏

ほうき草(原料)栽培を5年、さらに箒職人として1年の経験を積んでいる伊藤さんは、元々アズマ工業製造部でほうきの生産管理を行っていました。

着実にキャリアを積んでいた伊藤さんが箒職人に転向したきっかけは2015年の「国産ほうき再現プロジェクト」に遡ります。今では海外で栽培されているほうき草を日本で栽培しようというこの取り組みは、幾多もの困難を乗り越え無事に再現できたものの、そこで触れた現実は我々の考えを根底から見つめ直す転機となりました。

江戸時代より脈々と受け継がれてきたほうき草の栽培がもはや壊滅状態に近いこと、そして日本国内の箒職人が10人にも満たないという現実。この状況を打破したいと思った伊藤さんは自ら箒職人への道を歩むことを決めました。

伊藤 真人 氏:

「ほうき草を使った箒は日本で生まれたものです。今の箒にも先人たちの想いや英知がたくさん込められています。純粋に、守りたいです」

今では「国産ほうき再現プロジェクト」で知り合った箒職人鈴木氏に師事し、一流の箒職人になるべく日夜励んでいます。

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伊藤 真人 氏:

「ほうき草は、風合いや手で持った感触が一本一本違います。重さや長さで単純に管理できるものではないと今ではよく分かります」伊藤さんは続けます。

「師匠からはほうき草の状態をどう見極め、生かすかを教えられています。師匠は穏やかで、優しい方です。ですが、確固たる信念があり、厳しいこともしっかり言って頂けます」

師匠の人間性と編み込まれたほうきの美しさに引き込まれ、「ほうきは面白いです」と笑顔で語る伊藤さんには、大切にしている師匠の言葉があるそうです。

「あくまでも、箒は道具だから」

伊藤 真人 氏:

「それまで、『キレイに編み込みたい』と外観の美しさだけに囚われていたことに気付かされました。箒を飾ってもらっても意味がないですよね。使う人の立場になって、より使いやすい箒を編み込むことを今では大切にしています」

その気付きが、箒づくりだけでなく、ほうき草の栽培にも変化をもたらしたと言います。

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伊藤 真人 氏:

「自分が箒の作り手になって初めて良いほうき草(原料)の本当の意味を理解しました。安定した品質のほうき草を作り手に提供したいと思います」

自信を持って師匠に届けたほうき草を使ってもらい、師匠から「今年のほうき草は扱いやすかったよ」と褒めてもらったときはとてもうれしかったとのこと。5年かけて毎年積み上げた成果が確実に実っているようです。

『使う人の立場になって「ほうき」を作る、ほうきを作る人の立場になって「ほうき草」を作る』

どこまでも相手へのいたわりをもって作る姿勢は、原料であるほうき草の栽培から編み込みまでを自身で一貫して手掛ける伊藤さんだからこそできることかもしれません。十人十色、様々な特色を持った箒職人たちの輪の中にいる伊藤さんに今後も注目したいと思います。

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(2020年取材)

伊藤 真人 経歴

2013年 アズマ工業株式会社入社
2015年 国産ほうき再現プロジェクト開始
2019年 箒職人を志し、鈴木氏に弟子入り

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